<重要>当院における新型コロナウイルスへの対応

あん摩術への熱い思い

あん摩術にこだわっています

あん摩(按摩 あんま)術は、日本で永らく発展してきた手技療法です。
何種類もの手技を組み合わせて、衣服の上から全身を施術します。

もっとも特徴的なのは、全身の筋肉やツボを丹念に揉みほぐしていく『じゅうねつ法』です。
親指やてのひら、手根などを使い分け、筋繊維を柔らかく動かします。
背中や腰の大きな筋肉はもちろん、顔や手指の小さな筋肉に貯まった疲れを、細かく解きほぐしていきます。

ツボに貯まった緊張を柔らかくします。
揉みほぐす、という点にかけては、あん摩の右に出る手技はない、と私は信じています。

他にも、『圧迫法』や『軽擦法』をよく使います。
あん摩の圧迫法を抜き出し、さらに発展させたものが『指圧』です。
世界的に広まっている『SHIATSU』のルーツは、あん摩にあるのです。

あん摩の源は、古代インドと言われています。
中国に伝わり、特に都市部で発展しました。
日本には平安時代のはじめ頃に伝わってきたそうです。
『按摩博士』という役職が存在しています。
庶民の間にも広まっていったのは江戸時代です。いくつも流派があったようですが、
『杉山流』と『吉田流』が、現在もその名前が残っています。

杉山流と吉田流の大きな違いは、揉みほぐしの『じゅうねつ法』のやり方の違いにあります。『じゅうねつ法』は、それだけ奥が深いのです。
強い力でやたらに揉むと、筋繊維は傷ついてしまいます。ツボはさらに硬くなります。
その人の身体にあった適度な力加減で揉みほぐすことで、はじめて効果は発揮されます。全身の血行が改善し、筋肉に貯まっていた老廃物が流れ、効果のあるツボが刺激されると、もともと治癒力が備わっている身体は自然に元気を取り戻していきます。

国家資格の正式名称を、『あん摩マッサージ指圧師』といいます。
学生時代は、あん摩、マッサージ、指圧それぞれの授業が2年生までありました。
3年生になると、付属の治療室に出て、担当教員の元で実践を積みます。その時点から、三つの手技を複合的に使って施術することを学びます。

私の手には、あん摩が馴染んだようで、あん摩をベースに、指圧とマッサージの手技を随所に加えながら施術しています。

私が心がけていること

1 側臥位(横向き)での施術を重視

夜寝るのは、仰向けか横向きの姿勢ですね。
うつ伏せ、という方は、ほとんどいないはずです。
多くのマッサージ店やリラクゼーション系のお店は、うつ伏せと仰向けスタイルが主流ですが、当院では特に横向きでの施術法を、たくさん練習しています。
うつ伏せだと、胸当てを入れても胸苦しい、顔に跡がつく、などの欠点があります。
横向きはその欠点が解消できますが、体勢が不安定で揺れやすい、力が入れにくいなど、施術する側にとっては難関の多い施術姿位です。
でも横向きは、身体の前面(胸やお腹)と後面(背中や腰)に加えて、側面(側胸部や側腹部、股関節周辺)などの様子を同時に観察しながら、多方面から施術することができます。
症状によって、ほぐれやすいポジション、居心地の良い姿勢があります。
枕の高さにしても、人それぞれです。
当院では横向きと仰向け姿勢での施術を増やし、ふだん寝ている時のようなリラックスした状態で施術を受けていただけるよう心がけています。
妊娠中の方もゆったり受けていただけます。
うつ伏せが落ち着く、という方には、しっかりした胸当てをご用意しています。

2  施術はなるべく広範囲に

腰痛の時は腰を中心に、大腿、下腿、腹部、背部
頭痛の場合は、頭部と顔、頸部、肩、肩甲骨の間、背部、上腕、前腕、鎖骨下部など、関連する部分の緊張を緩和し、総合的に症状を軽減させていきます。
広範囲の施術は、症状の緩和だけでなく、揉み返しの予防にもなります。

3  なるべくお好みに合わせる

あん摩、指圧、はり、灸と、当院でも施術方法は複数あります。
「はりは怖いからイヤ」
「あん摩よりも指圧が良い」
など、皆さんの思いは様々です。
特に施術慣れしている方は、
「首は指圧でそれ以外はあん摩で、上腕はやらないで欲しい」
など、ご自分の身体に合ったレシピをお持ちのこともございます。
できるだけご要望を取り入れ、より良い方法があれば提案させていただきます。